自我意識の起こるのは、思いが私を意識した時に沸き起こります。喜びや充実感に包まれているときは、ほとんど自我を意識することはなく、プライドを傷つけられたとき、怒りが沸いたときに自我を意識するように思います。例えば、スポーツ観戦で応援しているチームが優勝して、喜びで興奮しているときは、私が感動していると意識せずに興奮しています。その興奮状態に水を差されると、自我を意識し不快な気持ちになります。また、嫌いな上司にお茶を入れるよう頼まれたとき、なぜ私があなたのためにやらなければならないのか?このなぜ私がという思いが自我意識の最たるものです。ですが、実際にお茶を入れる行為は、急須に茶を入れる、お湯を注ぐ、茶碗につぐ、という行為そのものには私が入り込む余地がありません。あるのは、その行為中になぜ私が?というイライラしている思いがあるだけです。自分がお茶を飲みたくてお茶を入れるときには、なぜ私がという思いは起きないはずです。私と相手を意識した時に、はじめて自我意識が生じ、不快な気持ちになります。この自我意識と心の状態を日々参究いただきたいと思います。