9/24の４度目の坐禅会では、初参加のカナダ人の御夫婦を含め9人の参加者があり、２０分の坐禅を２柱修行しました。今回の提唱では般若心経の一節「受想行識」についてお話ししました。
受は人の感覚作用のことで、見える、聞こえる、痛みなどの純粋な感覚のことです。想は見えたものが何であるかを認識する作用、行はその何かが私にとってどんな関係があるのかと考える作用、識はその結果私がどう感じたのかを受け取る作用のことです。鐘が鳴れば音を認識するのが受、その音が鐘の音と認識するのが想、その音が私にとって心地良い、耳障りなどと感じるのが行、その音によって私が安らぐ、不快になるなどの感情が識です。日常の例を挙げると、外出中に何かが目に映った。これが見えたという受です。次にその対象が人であり、Aさんと認識したのが想です。そのAさんが私にとってどんな関係の人なのかと思考するのが行です。そして、Aさんが私にとって都合の悪い人であれば、会いたくない、隠れようかと考えます。そして、会ってしまったときに嫌な気分になるのが識です。
このように、私たちの日常生活では、この受想行識を無意識に、瞬時に行っています。私という自意識を持ち出して、起こった事実を後から考えて、よい気分になったり、悪い気分になり、人との摩擦や悩みを自身の考え方が作り出すのです。
坐禅は、受想行識のうち受のみに集中することだと思います。私たちは、見える、聞こえるという純粋作用に、常に自分の都合や評価を上乗せして、事実を正確に見ていないからです。